第11回 久留米高専会場(H30)

12月1日(土)久留米高専において、高専ハカセ塾第11回目の授業を開催しました。

今回の講義は、一般科目(理科系)数学の松田康雄教授による「久留米の和算」でした。
和算とは、江戸時代に日本で独自に発達した数学です。現在、私たちが学んでいるのは明治時代に伝わった西洋の数学(洋算)ですが、和算は洋算に劣らぬ高度なものでした。
実は、私たちが数学を日本語で学べているのは和算のおかげで、日本のように数学を母国語で学べる国は少ないのだそうです。というのも、例えば、方程式、微分、積分などといった言葉は、その概念が無ければその国の言葉で訳すことができないわけですが、日本の和算はそれらに対応できるものだったからこそ、日本語の数学用語を使うことができているのです。

授業では、そんな和算の歴史を学んだ後に、かつて寺子屋で使われていた教科書「塵劫記(じんこうき)」に掲載されていた問題などを基にして解いていきました。計算機を使う問題、三角形や四角形の紙を使って指定された図形を作成していく問題など、論理的思考力だけでなく、発想力や柔軟性、創造性が問われるものがたくさんあり、和算を生み出した日本人の知力の高さを体感する時間ともなりました。

 みんなで電卓を使って計算中
断ち合わせ”で図形作成に挑戦